客商売は、人とのつながりが命
客商売は、人とのつながりが命です。
祖父母の薬屋もそうでした。地元に根差した個人経営というのは、ご近所との繋がりで成り立っているようなものだと思います。
人づき合いが大好きだった祖父の元には、毎日のように近所の顔なじみの人が集まっていました。店先には、椅子が置いてあり、いろんな人が毎日入れ替わり立ち替わり訪れては、その椅子に小一時間ほど座って、栄養ドリンクを飲みながらお喋りしていました。
一番よく見かけたのは、果物屋さんのおじさんでした。いつもミカンの箱を持ってきては、その椅子で一服し、栄養剤や仁丹を買って帰っていました。私はその傍で、いつもお店の商品を触って遊んでいました。
私は子供向けの栄養剤を触って、よく怒られていました。瓶を何度か割ったこともあります。体が弱く、すぐ熱を出す子供だったので、消耗性疾患用の子供向けの栄養剤を、1日1本飲んでいました。また、ゼネル薬工のリココデなどもよく服用していました。梅仁丹をこっそり盗み食いしていたことが発覚して、叱られたりもしました。でも、いつも誰かがお店に遊びに来ていたので、ガラス瓶が割れて危ない目にあったり、祖父母に叱られたりするときには、必ず誰かが助けてくれていたものです。
いつも顔なじみの人が店先に居る。それだけで、なんだか安心してお店で遊ぶことができました。